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COLUMN

  

コロナ禍から考察するアパレル業界の今後

大打撃のアパレル業界。。

今年も終わりに近付いてきましたが、2020年は激動の一年でしたね。

全く影響を受けなかった方はいないのではないかと思うほど、世界規模のパンデミックであり、それに付随してビジネスシーンにも大きな波が押し寄せました。

特に、外出に対してマイナスなイメージが付いてしまった事により、店舗での販売が主の売り上げとしている業種、企業においては未曾有の事態となりました。

売り上げが下がれば、当然のごとく店舗経営が難しくなり、その結果店閉店。そこのスタッフは職を失いと連鎖的に悪化が続き、2021年はさらなる不景気が予想されます。

その中でも、ホテル、飲食店、アパレル等の店舗を構える形態の業種の打撃は想像以上にあり、全国的にも昔からの有名店や人気店等も軒並み閉店を余儀なくされている状況です。

今回はその中でも「アパレル業界」についてコラムを書いていこうと思います。

今年の4月頃から約3ヶ月間のロックダウンが明けて、日本社会は6月から一応”通常営業”に戻りましたが、店舗が営業できなかった3ヶ月間は1年の前半で最も売り上げが大きい時期でもあったので、当然、販売機会をロスしました。

結果、在庫を抱えた多くの小売業は早期のセールという状況になり、そこへ長梅雨や豪雨が重なり、梅雨が明けると猛暑続き…。感染者数が再び増加したこともあって、7月、8月の小売り市況もネガティヴで、大多数のファッション小売業や百貨店が昨年対比で7割以下の売り上げと公表。昨年まで活発だったインバウンド消費もゼロに近い。

その間、国内外の歴史ある企業やブランドが立て続けに倒産したり、経営危機に陥ったりしました。また、百貨店も売り上げ回復が困難な状況です。この現状は世界的パンデミックが始まって以降、多くの業界人が抱いた危機感が露呈したものと言えますが、その反面、急変した事でゆっくりと距離を縮めていたある事象が急速に進行しました。

 

急変を強いられたアパレル業界

これまでゆっくりと距離を縮めてきたファッションとデジタルが、コロナによって急速に縮まった印象があります。

コロナ禍で数ヵ月も自粛を余儀なくされてしまったことで、デジタルに関してのリテラシー有無に関わらずリモートワークをしなければならなくなったり、ショッピングもECというチャネルを使わざるを得ない状況になったりと、本来なら長期間かかると思われていたマインドチェンジが数ヵ月の間に一気に起きました。

これは、たとえコロナが収束したとしても、すでにデジタルの使い方、その利便性を消費者は学習してしまったので、完全に元に戻ることはないだろうと思います。

業界としては、コロナの影響によって、デジタルへの抵抗感を一気に取っ払えましたし、“やってみる”という最初のハードルを越えられたことは、ある意味良い変化だったのかもしれません。

ただ、消費活動に関してはこれからかと思います。

コロナ禍で各社EC化率を上げていくアパレル業界全体の方向性だと思いますが、一般的なアパレル企業のEC売上が全体の約20%、残り約80%を店舗売上が占める現状を考えると、EC売上を前年比150%に伸ばしても店舗の落ち込みを補填するには至りません。

商品自体に機能的価値のある汎用的な商品はECで販売するのに適していると思いますが、一定価格以上の嗜好品に近いブランド商品は同様には売れないかと思います。それは、ブランドのアイデンティティや世界観、ストーリー、デザイナーの考えなど、一連のつながった価値とそれに対する共感や憧れといった情緒的なものが消費を生む部分だからといえます。

こういった体験価値は現状のEC上で顧客に伝えるのはなかなか難しいと言えるので、これからは、ECでそれをどう実現していくか、ECと店舗のオムニチャネル化はどのように変化していくのかを考えていく必要があります。

 

今後のアパレル業界

まず一つ前提としてデジタル化が急速に進んだとしても、アパレル業界において実店舗の需要はなくなる事はないと思います。

デジタル化でもなくならない、実店舗での“買い物体験”。

実店舗だと予想外の“出会いのような買い物体験”があります。

ハイブランドであれば、一等地の建築に囲まれた中で、普段自分が着ないようなものが並んでいてもプロの販売員と話をすることで、新しい価値観や物の背景を知ることができ、気づけばその商品を買っていたりします。この購買行動の連続をビジネスとしているアパレル業界だからこそ実店舗は役割が変わってもなくなることはないだろうと思います。

ショールームとしての店舗の役割

デジタル化は進んだ、そして店舗もなくならない。では一体どんな変化が起きるのだろうか。これから記載する内容は想定にはなるが、可能性の一つとして捉えていただければと思います。

世界的パンデミックが起きる前からもアパレル業界内では問題視されていた「ショールーミング(実店舗で商品を見てネットで購入)」という消費行動を逆手に取り、「ショールームストア」という業態が加速するのではと推測しております。

サンプル商品の試着→オンライン決済→自宅配送(Apple Storeのような形態)が主体となり、在庫がある場合のみ店頭での受け取りも可能ですが、基本は倉庫から直配送をメインとして店舗には在庫を持たないという店舗の敷地面積・スタッフ共に最小限に抑えたある種コンセプトショップのような業態です。

前項でも記載した通り、ブランドのアイデンティティや世界観、ストーリー、デザイナーの考え等が要因で消費に繋がる業種であるからこそ、実際に消費者へショップのコンセプトや、シーズンテーマに基づくメッセージ等を通して視覚的に発信し体験してもらう場所として店舗というものを定義し、ルックブックが飛び出したような世界を体験する事で、アパレルに触れるという事をより情緒的に捉えることが今後デジタル化をより発達させるために必要な要素なのではないかと考えます。

店舗面積を縮小し、オンライン購買という仕組みは、経費削減や在庫の見える化、より洗練されたブランドの世界観の演出ができる等、あらゆる面で有効的な案であり、実際のところ現在までもいくつかのブランドで既に実践がされている形態です。

ただ、この時世に急速に上記の動きが進めば「アパレルを買う」という消費行動からファッションの本質を深く理解するためのきっかけになるかもしれません。

 

まとめ

デジタル化が急速に進んだアパレル業界において、これから変化すべきところと、これからも変わらずにいなければならないところがあります。

2020年秋冬のコレクションでは、映像を活用するなどの新しいことにチャレンジする企業も増えています。そこでも、リアルの空気感や場の雰囲気をいかに落とし込めるか、もはや分断して考えることはできません。

2021年以降、激動のアパレル業界の中では、デジタルを味方にワクワクする世界観を届けていくことが、必要不可欠なのではないかと思います。

弊社では、コンセプト立案から空間デザイン、そしてブランドの世界観を最大限に表現することができるプロモーション立案・運用等、この時勢の中で勝ち残るために必要な「共感や憧れ」をご提供させていただきます。

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SHINYA FUKASAWA

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