なぜ美容室がSNSをやるのか?集客・採用・信頼づくりの違いを知る【美容室編】

「とりあえず投稿してるけど、反応が少ない」「どんな内容を出せばいいかわからない」
そんな声を美容室の現場でよく聞きます。

しかし、SNS運用がうまくいかない多くの原因は「目的が曖昧なまま投稿していること」にあります。 サロン全体で「何のためにSNSをやっているのか」を明確にしないまま動くと、方向性がバラバラになり、時間をかけても成果に結びつきません。

SNSは“やること”自体が目的ではなく、“目的を達成するための手段”。 目的を「集客」「採用」「信頼づくり」の3つに整理することで、チーム全員が同じゴールを見て投稿を考えられるようになります。

なぜSNSをやるのか?目的を曖昧にすると成果が出ない

美容室がSNSを活用する理由は一見シンプルに見えても、実は人によって想定している「目的」が異なります。

  • オーナーは「新規のお客様を増やしたい」
  • スタイリストは「自分のお客様を固定化したい」
  • アシスタントは「おしゃれなサロンに見せたい」
  • 採用担当は「スタッフを増やしたい」

それぞれの目的が混在したまま投稿すると、メッセージが散らかり、見る人に“何を伝えたいのか”が伝わりません。 たとえば、ヘアスタイル写真と求人投稿とキャンペーン告知が混ざったアカウントは、結局どんなお店なのかがわかりづらくなります。

まず大切なのは、「このアカウントは何のために運用しているのか?」をチームで共通認識にすること。 目的によって“投稿内容”も“トーン”も“使う機能”も変わるからです。

目的① 集客(来店につなげるためのSNS)

もっとも多い目的が「新規のお客様を増やしたい」という集客目的のSNS運用です。

▶︎狙い:比較検討中の人の背中を押す

今の時代、初めて行く美容室はほぼ100%SNSで下調べされます。 InstagramやTikTokで検索して「雰囲気」「技術」「人柄」を見たうえで予約する。 つまり、SNSは“検索で見つけてもらう場”であり、“行く前の不安を解消する場”です。

▶︎投稿内容のポイント

  1. ヘアスタイル投稿は「技術+ストーリー」  ただスタイルを載せるだけでなく、「どんな悩みを解決できたのか」「どんな仕上がりを目指したのか」を言葉で伝えることで、“私もお願いしたい”につながります。
  2. ビフォーアフターを活用する  変化がわかる投稿は最も説得力があります。アングルや照明を統一して、“プロの手による違い”を視覚で伝えましょう。
  3. 来店を促す導線を整える  プロフィールのリンクは「予約ページ」1本に絞る。  ハイライトには「スタイル集」「料金表」「スタッフ紹介」を整理し、“来店前の不安をゼロにする”ことが大切です。

目的② 採用(スタッフに選ばれるためのSNS)

SNSを「お客様だけでなく、未来の仲間にも見てもらう場」として使うサロンが増えています。 美容学生や中途スタイリストは、求人サイトよりも先にInstagramで「サロンの雰囲気」をチェックします。

▶︎狙い:働く人のリアルを見せて共感を生む

求人用SNSでよくある失敗は、「求人情報だけ」を発信していること。 どんな人が働いているのか、どんな空気のサロンなのかが見えなければ応募は来ません。

▶︎投稿内容のポイント

  1. スタッフの“人柄”を見せる
    仕事風景・笑顔・オフショット・お客様との関わりなど、“どんな人と働くか”を感じさせる投稿が最も刺さります。
  2. 教育・サポートのストーリーを出す
    たとえば「技術チェック風景」「カット練習会」「オーナーからの一言」など。  “このサロンで成長できそう”と感じてもらうことが大切です。
  3. 現場スタッフが自ら発信する
    経営者発信だけではリアリティが弱い。スタッフ自身が発信することで、“等身大の職場”として信頼が高まります。

目的③ 信頼づくり(既存顧客との関係を強くするSNS)

集客や採用と同じくらい大切なのが、「信頼づくり」を目的としたSNS運用です。 これは、“今来てくれているお客様”や“再来店を迷っているお客様”に向けた発信です。

▶︎狙い:ファン化・リピート促進

お客様が次回来店を決める理由の多くは、“スタッフとの関係性”と“お店への信頼”です。 その信頼を育てるのがSNSの「日常投稿」です。

▶︎投稿内容のポイント

  1. 日常を切り取る“舞台裏投稿”
    営業前の準備や掃除、スタッフのちょっとした笑顔。  “ちゃんとしたお店だな”と感じさせる信頼感を生みます。
  2. お客様の声をリポストする
    口コミやDMの感想を許可を得て紹介することで、“他の人も満足している”という社会的証明になります。
  3. 専門性を伝える“知識投稿”
    ヘアケアやスタイリングのアドバイスなど、“フォローしているだけで勉強になる”アカウントは信頼を得やすいです。

投稿前にチームで決める「3つの質問」

SNSをチームで運用する場合、全員が同じ方向を見て動くことが重要です。 そのために、投稿前に次の3つを共有しておきましょう。

  1. この投稿は「集客・採用・信頼」のどれを目的にしている?
  2. 見る人にどう感じてほしい?(例:行ってみたい・働きたい・信頼できる)
  3. 次にどんな行動を取ってもらいたい?(例:予約・応募・保存)

この3点を意識するだけで、投稿の精度と一貫性がぐっと高まります。

まとめ:SNSは“やること”より“意図を共有すること”が大事

美容室にとってSNSは、もはや「おしゃれな写真を載せる場」ではなく、「お客様・スタッフ・地域との信頼をつくる場」です。しかし、どれだけ投稿を重ねても、“何のために発信しているのか”がチームで共有されていなければ、成果は出ません。 目的を「集客」「採用」「信頼づくり」に整理し、それぞれに合わせた投稿を続けること。

SNS運用で最も重要なのは、“共通の目的意識”です。 スタッフ一人ひとりが「なぜ自分たちはSNSをやるのか」を理解した瞬間、発信は義務ではなく“戦略”に変わります。

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