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①「やる気が続かない」ではなく、「設計が続かない」
TikTok、Instagram、YoutubeをはじめとするSNS運用が停滞するとき、真っ先に「人」が疑われるのは、心理的な防衛反応のようなものです。
「担当者のやる気がない」「企画コンテンツやネタ出しが苦手」「多忙による投稿の遅延」しかし、これらは表面的な症状であり、根本的な原因ではありません。
私たちは、SNS運用が続かないのは、個々の能力や意欲の問題ではなく、仕組みという名の「構造的欠陥」に起因すると考えます。もし運用が個人の「やる気」や「根性」に依存するなら、企業のSNSアカウントは担当者の入れ替わりや業務量の変動で簡単に立ち行かなくなってしまいます。
やる気や根性で続けられるものなら、世の中に“続かないSNS”など存在しません。
問題の本質は、「人が意図せずとも自然に動けるような構造が設計されていない」ことにあります。つまり、“仕組みが人を支える状態”が構築できていないことが最大のボトルネックなのです。
② 人は“やる気”ではなく“環境”で動く
日常的によく「モチベーションが上がらない」という言葉を聞く場面があるかと思います。しかし、実際に人を動かしているのは一時的な“やる気”ではなく“環境”なんです。
例えば、「投稿の流れ」「必要な情報」「責任の所在」が明確に構造化された環境では、人は迷いなく自然と行動に移せます。
逆に、「何を・いつ・どこに・どんなトーンで発信するべきか」という行動の指針が曖昧な環境では、どんなに高いモチベーションや意欲を持ってSNS運用に臨んでも、その行動は長くは続きません。
継続するために必要なのは、「今日は頑張ろう」という「気持ち」ではなく、「これをやれば進む」という「仕組み」です。
仕組みさえ強固に整っていれば、担当者のコンディションやモチベーションが低い日でも、定められたプロセスに沿って淡々と作業を進められます。
これこそが、“仕組みが人を動かす”という、持続可能な運用の基盤となる考え方です
③“属人化”が止まる最大の壁になる
SNSの発信が途絶えやすいチームの典型的な特徴は、その発信業務が「誰か特定の一人の仕事」として切り離されていることです。
・担当者が異動や退職で代わるたびに、ノウハウが引き継がれずに運用が完全にストップする。
・担当者の業務が立て込み忙しい日が続くと、SNSの更新が後回しになり、そのまま停止してしまう。
⇒結果として、ノウハウや発信方法がブラックボックス化し、「誰も触れない領域」へと化していく。
これは、人に依存し、個人のスキルと時間に全てを委ねた発信の形になってしまっています。TikTokやInstagramなどのSNS運用において、こうした属人化した状態を打破するには、「人に頼らず、システムとして運用が続く設計」を導入する必要があると考えています。
たとえば、以下のような構造の構築が求められます。
- コンテンツ設計の統一化:
コンテンツ企画をAIに任せるためのプロンプトの統一や、勝ちパターンを抽出した投稿の目的とフォーマットの固定。 - プロセスの可視化と共有:
誰が、いつ、何をするかを明確にしたスケジュールや役割を共有できるシートの作成。 - 効率化と安全性の両立:
上長や関係者の確認を迅速化するための承認フローの自動化。
など、上記のようにどのようにSNS運用を行っていくのかという
方向性、投稿内容、投稿本数、フロー設計といった構造を創ることこそが重要なポイントとなってきます。
属人化を終わらせるとは、単に担当者を変えることではなく、「個人の感覚・スキル」に依存した状態から、「構造の仕組み・ルール」で運用を担保する状態へと変革することなのです。
④ 続けられる組織は、“仕組みの文化”を持っている
発信を継続的に行えている企業には、明確な共通点があります。それは、仕組みを単なるツールやマニュアルとしてではなく、「仕組みを組織の文化として扱っている」ことです。
「仕組みの文化」を持つ組織では、以下のような思考が浸透しています。
- 問題発生時の焦点
投稿が止まっても、“個人”を責めるのではなく、“構造”に問題がなかったかを見直す。 - 学習の仕組み化
一度良い発信が出た場合、それを個人の成功で終わらせず、再現できる“型”やテンプレートとして組織知化する。 - 改善の主体
属人化を避け、チーム単位で改善サイクルを回し続ける。 - テクノロジーの活用
AIなどの技術をうまく活用し、質・量ともに発信の工数と時間の効率を最大化する。
このような仕組み化の思考が組織に根付いている企業は、市場の変化や担当者の入れ替わりといった、どんな時代や環境でも発信を止めることはありません。
なぜなら、“仕組み”というインフラが常に人をサポートし、新しいメンバーが入っても自然と運用に組み込まれるようになっているからです。
⑤「仕組み化」は“やり方”ではなく“考え方”
多くの企業がSNS運用の「仕組み化」を、「テンプレート化」「特定のツールの導入」「定型業務の自動化」といった「やり方」だと捉えがちです。もちろん、これらも仕組み化の一要素としては正しいです。
しかし、MAZIKAが提唱する仕組み化の本質は、その先にある「再現性」にあります。
- 誰が担当しても
- どんな状況になっても
- 常に同じレベルで一貫性のある発信を継続できる
これを実現するのは、単なるツールやシステムだけではありません。「どうすれば人を動かす構造を設計できるか」という、本質的な仕組み化をするための“考え方”そのものが鍵となります。目の前の作業を楽にするのではなく、「人を動かす構造」を常に意識して設計すること。
それが、企業としてSNS運用を成功に導く、本当の意味での“仕組み化”につながるのです
⑥「仕組み」が人を責めない環境をつくる
発信が止まった際、その責任を個人に押し付けてしまうとどうなるでしょうか。
そのたびに担当者は疲弊し、組織内には小さな罪悪感やストレスが積み重なっていきます。
結果、誰もその領域に手を出したがらなくなり、
組織全体に“沈黙”が文化として定着してしまいます。
繰り返しますが、問題の根源は「人」ではなく「構造・仕組み」自体にあります。だからこそ、感情論や精神論に頼るのではなく、仕組みを整える必要があります。人がプレッシャーなく自然と動ける環境を、構造として作り込むのです。
そうすれば、万が一発信が止まっても、個人を責める必要はなくなります。「仕組みのどこに負荷がかかったか」という冷静な視点で、淡々と“次の一手”(仕組みの改善)に進めるようになります。仕組みは、人を厳しく縛り付け、行動を制限するものではありません。
むしろ、仕組みは人を不必要なストレスから解放し、本質的なクリエイティブな活動に集中させる“人を自由にするもの”なのです。
それが、MAZIKAの仕組み化思想の根底です。
⑦【まとめ】
- 続かないのは、“人”ではなく“仕組み”。
- 続けるのは、“やる気”ではなく“構造”。
SNSでの発信が、一過性のキャンペーンで終わるか、組織の資産となる文化になるかは、
「仕組みが人を支え、継続を保証できるか」で決まります。MAZIKAは、その“構造”をデザインする会社です。
人が安心して、そして持続的に動ける仕組みを整えることこそが、顧客との信頼関係を積み上げる第一歩であると考えます。